苦悩の大きさだけは文豪並み

なけなしの文才の無駄遣い。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

NGY大学不思議譚① コンビニエントな増殖は止まらない

私の通っている大学の構内には、コンビニがある。そのコンビニには、レジ打ちの際にやたらと客に話しかける店員さん─ここでは仮に葉本さんとしよう─がいて、面白がられたり、鬱陶しがられたりしている。 ある日の夕方のこと、指導教官の部屋で卒論の指導を受…

誘惑するたぬき

暑い暑い夏の、殊更暑い午後。外気温は今年最高を記録している。そんな日に涼を求めてたどり着いたのは、大きな川が流れる街の蕎麦屋であった。昼食の時間はとうに過ぎて、おやつの時間も少し過ぎようかという頃合いにも関わらず、客足は途切れることはない…

外国での問答

先日、アフリカ南部のとある国に行った。 特に用があった訳でもないが、暇をもてあまして沢木耕太郎の『深夜特急』を読んでいたところ、旅に出たい欲求がふつふつと湧いてきた。 沢木を読んだからアジアに行くでは芸がない。 そこで、行く先に選んだのはアフ…

河童との対話

今日、不思議な体験をした。 河童と対話をしたのである。 その河童―ここでは仮に杉山くんとしよう―は大学の同じゼミの後輩だ。 杉山くんのことは以前から知っていたし、当然のことながら、彼は人間であると私は思っていた。 彼が河童であることが発覚したの…

料理人の肖像

今日、不思議な体験をした。 不思議な棒を拾ったのである。 「素敵なステッキ」という駄洒落があるが、その棒は素敵とはほど遠い質素な棒であった。 しかし、不思議な棒なのである。 それは確かに棒であるのだが、見れば見るほど葉っぱに見えてくるのだ。 果…

もの凄い鯖

海に面した県の、海から遠く遠く離れた場所に住んでいるので、海を見るだけでやたらとはしゃぎたくなる。しかし、海の魚を食べるということになると、てんで心が躍らず、「肉ではないのか」とがっかりすることさえあった。そんな過去の自分を張り倒したくな…

Hamburg! Hamburg! Hamburg!

ハンバーグの肉はどうあるべきかということを考えるとき、まず思い浮かぶのは、粗挽きの牛肉である。炭火で焼いた大ぶりのハンバーグを、熱々の鉄板の上で割って食べるのはたまらない。では、豚肉であったらどうだろうか?合挽きなどではなく、100%の豚肉で…

My most favorite Tonkatsu!

とんかつが届く前から、その戦いは始まっている。 与えられたソースは5種類。シンプルな塩、王道のとんかつソース、こだわりの詰まったオリジナルソース、さっぱり系の梅酢ソース、名古屋人の魂味噌だれ。対してソース皿は3種類分。この中からどれを選ぶかに…